「みのたけ」の 教育・投資・生活etc

みのたけ中年の趣味用雑記メモ(非収益化ブログ)。倹約と投資で労働から卒業した隠居生活者。投資歴は20年ほど。

ジェレミー・シーゲル「株式投資の未来(赤本)」永続する会社が本当の利益をもたらす

 

  

昨日のジェレミー・シーゲル「株式投資緑本)」に続いて、今日はシーゲル赤本と呼ばれる「株式投資の未来」についてまとめておきます。要点は↓ですが、もう少し詳しくまとめました。

 

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世界はいま、ふたつの巨大なトレンドを同時に迎えようとしている。一方で富裕国が急速に高齢化し、もう一方で途上国の急激な成長が始まりかけている。ふたつのトレンドが同時に進行しているおかげで、退職者が高齢化の波にさらわれ、買い手のいない株式と債券の海に溺れるという未来はは避けられそうだ。途上国に金融資産の買い手が生まれる。そうなれば、金融市場は今世紀後半にかけて買い支えられる。だが、新興界にあらわれる「夢を語る企業」は、たいていの場合、投資家を失望させる。一方、これといって話題性はないものの「時に価値を裏打ちされた企業」は、投資家をさほど失望させることはない。経営陣が勝利の方程式に忠実で、販路を国外に広げ、世界市場を構築してきた企業だ。世界経済が力強く成長すれば、世界の株式市場をカバーするインデックス投資はまちがいなく高いリータンを稼ぎ出す。気をつけるべきなのは、「初物」に気前よく払い、「古株」を鼻であしらう投資家の生来の傾向である。長期投資で成功を収めるのは、少しもむずかしいことではない。「成長の罠」を避け、「時に裏打ちされた価値」にしがみつけばいい。

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「私が割安株投資を始めて35年、トレンドがこちらに逆らったことはいちどもない。人間には、簡単なことをむずかしくしようとする、ひねくれた性質があるらしい」

ウォーレン・バフェット 1985年

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今日は赤の方です。こちらは緑本の後に出版された「付け足し」のような本であり、より重要なのは緑本なのですが、日本ではオカシナ投資家が赤本を間違った読み方の上に、一部だけを過剰に強調して、新コロショックでひっくり返っている人も多かった気がしますね。おそらく本も読まずに、そこらへんのブログやTwitterの情報を鵜呑みにしていたのだろうと感じています。

 

私はエリスの「(勝者のための)敗者のゲーム」のまとめでも、マルキールの「ウォール街のランダム・ウォーカー」のまとめでも、ブログに書いていますが「自分で本を買って読みましょう!」と強く感じています。私は、投資でも勉強でも、身銭を切らない人に学びはありませんし、学ぼうとしない人に繁栄はないと考えています。当然の結果だと思うので、自分自身も学び続けたいと思います。

 

今回のまとめも、毎回のまとめ同様、私の趣味(メモ癖、書き癖)、自分用の記録学習用まとめブログとなっております。

 

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シーゲル氏は前著「株式投資緑本)」で「株式で資産を運用するなら、幅広く市場をカバーするインデックスを連動させる方法がいちばんだ」と説いた。単純で節度あるインデックス投資にまさる方法はないと考えていた。本書では、インデックス運用のリターンを引き上げる方法としていくつかの補完戦略を紹介しているが、それは本書のテーマではない。

 

投資家はハイテク銘柄をはじめ新興銘柄を過大評価し、これといって話題性のない業界の銘柄を無視する傾向がある。

 

「成長の罠」

 

技術革新の先端を行き、経済成長を牽引する企業こそ、投資家に卓越したリターンをもたらすとの通念の間違い。

 

成長の罠が作用するのは、個別銘柄だけではない。市場のあらゆるセクターで、国際市場でさえ、おなじ傾向が確認できる。飛ぶ鳥を落とす勢いの新興企業、新興業界、新興国にかぎって、リターンが極端に低くなっている。

 

「成長率が高いだけでは、リターンは高くならない」

 

ただ高いだけでなく、投資家が株価に織り込む、たいていの場合は楽観的すぎる予想を上回らなければならない。

 

成長の罠が、投資家と投資の成功とを隔てる大きな障壁であることはあきらか。

 

一般通念の落とし穴を避けることが大切だ。

 

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株式投資の長期的リターンは、企業の増益率そのものではなく、実際の増益率が投資家の期待に対してどうだったかで決まる。

 

「買ったら売らない」アプローチの運用成績は、その後50年間に登場したどのミューチュアル・ファンドも、ファンドマネージャーもかなわないほど高い。

 

過去10年間、世界のどの国より高い成長率を達成した国が、投資家にもたらしたリターンは、どの国よりも低かった。株価が過大評価されすぎ、後に急落して、投資家の期待を手痛く裏切った。

 

モノを生産するのは途上国世界の労働者となり、資産を買うのは途上国世界の投資家となる。これを「世界的解決」と呼ぶ。

 

企業の中では、世界市場の成長見通しを理解し、これを巧く利用するものが繁栄する。

 

「成長の罠」には、じゅうぶん注意しなければならない。急成長する新興国は、新興業界や新興企業とおなじで、成長率が高いほど高いリターンをもたらすとは限らない。

 

期間を長くとれば、株式投資のリターンは債券を上回る。しかも、インフレを考慮すれば、リスクも債券より低くなる。

 

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シュンペーター「創造的破壊」のプロセスは、資本市場では、まったく逆の形で作用する。ここで痛い目にあうのは「創造的」とみなされる企業の株を高値で買い求める投資家だ。

 

ポートフォリオの更新は、市場平均を上回るリターンを達成する上で、必要ではない。「買い持ち」型のポートフォリオは、これ以上なく節税型で取引コストも低いので、長期的に財産を増やしたいなら、魅力的な方法といえる。

 

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長期的な成長力をこれから試されるであろう新顔に心を奪われてはいけない。時に裏打ちされた企業の成績は、派手な新興企業のそれにまさる。「時に裏打ちされた勝利」である。

 

株主の手にするリターンは、企業の実際の増益率と、投資家の期待するそれとの格差で決まる。

 

「いくら払ってでも」買う値打ちがある銘柄は、どこにもない。

 

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長期的に投資するなら、話題のセクターを追い求めるアプローチは、残念きわまりないリターンしかもたらさないだろう。

 

エネルギーと情報技術の2セクターは、20年相前後して、見分けがつかないほどよく似たバブルを経験している。バブルがピークを迎えたとき、時価総額がS&P500全体の30%に達していた。どこかの1セクターの市場シェアが急激に拡大する現象は、配分比率引き下げのサインとみていい。

 

セクターが急成長する局面に採用された銘柄の成績は、とくにひどい。

 

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投資家も、バブルをバブルと見極められる。マスコミがさかんに取り上げ、報道ぶりが過熱する。業容や社名を理由に、利益がでていなくても、売上さえろくに立っていなくても、異常な高値がつく。世の中が変わったのだから、こうした企業の価値は、従来の物差しでは測れないとみながいいはじめる。関わり合いにならないのがいちばんだ。

 

よく胆に銘じてほしい。バリュエーションは、どんなときも重要だ。

 

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「過去を覚えていないものは、それを繰り返す運命にある」

 

バブルを煽ったのは、ほかでもない、投資家だ。

 

バブルを長続きさせるのは「もっと馬鹿がいる」理論だ。

 

その「誰か」がどこにもいなくなったとき、最後の買い手は、大きな荷物を抱えて立ち往生する。

 

過去300年に起こった進歩は、多くの場合、バブルとともにあらわれ、おそらくはバブルが後押ししてきた。

 

発明に資金を提供する役割は、他人に任せておくほうがよさそうだ。画期的だからといって、儲かるとは限らない。服を買うとき、みんなが着ているおなじ服を買いたくなることがある。だが市場でおなじ衝動にしたがうなら、まちがいなく、ひどい目に遭う。

 

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配当がなくてはならないほど重要なのは、それが信頼の印になるからだ。株主は、だれはばかることなくこういっていい。「金を見せてくれ!」。金をみせてきた会社は、最高のリターンを達成してきた。

 

配当が支払われていれば、決算にまちがいがないことは投資家にもわかる。

 

Show me the Money!!

 

※以下↓の画像だけ2020年12月8日に添付(米国復活かね?)

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公表利益に多少の「水増し」があるのはたしか。だが、配当の支払いをごまかすのは、決算をごまかすより何倍もむずかしい。

 

米国政府は、年金制度の会計をごまかしている。政府の社会保障制度と高齢者医療保険制度は、数十兆ドル単位で、積み立て不足を抱えている。

 

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「結論? 結論なら、いくつも出した。役に立たなくていいなら、方法は山ほどある」

トーマス・アルバ・エジソン

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19世紀から20世紀前半にかけて、最先端の工場に労働者を送り込むには、移民を受け入れるしかなかった。こんにち、世界中のどこであれ、労働者のいるところに最先端の設備を持ち込むことができる。

 

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わたしたちの未来は、途上国世界がどこまで浮上できるかに、全員の命運がかかっている。だが、保護主義へ向かい、世界経済を分断するなら、危機にさらされるのは、わたしたち自身の未来だ。

 

悲観論者がいよいよ声を上げて、経済と金融の崩壊が近いと大合唱するとき「世界的解決」を思い出してもらいたい。途上国の若者がモノのつくり手となり、退職者の資産の買い手となる。途上国経済の成功は、途上国の人々に恩恵をもたらすだけではない。わたしたちの社会が繁栄を続ける上でも、欠かせない条件となる。

 

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株式投資の戦略として、国際的な分散をすすめるアプローチを提唱。

 

ポートフォリオの40%程度を米国外に本拠を置く企業に配分するべき。

 

そのために、国際的なインデックス運用を株式ポートフォリオのコアにする方法を奨めたい。

 

急成長する国の市場が高いパフォーマンスを達成するとはかぎらない。これからの世界市場の成長を収益率に反映させたいなら、幅広い分散こそがカギになる。

 

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世界はいま、ふたつの巨大なトレンドを同時に迎えようとしている。一方で富裕国が急速に高齢化し、もう一方で途上国の急激な成長が始まりかけている。

 

ふたつのトレンドが同時に進行しているおかげで、退職者が高齢化の波にさらわれ、買い手のいない株式と債券の海に溺れるという未来はは避けられそうだ。途上国に金融資産の買い手が生まれる。そうなれば、金融市場は今世紀後半にかけて買い支えられる。

 

だが、新興界にあらわれる「夢を語る企業」は、たいていの場合、投資家を失望させる。一方、これといって話題性はないものの「時に価値を裏打ちされた企業」は、投資家をさほど失望させることはない。経営陣が勝利の方程式に忠実で、販路を国外に広げ、世界市場を構築してきた企業だ。

 

世界経済が力強く成長すれば、世界の株式市場をカバーするインデックス投資はまちがいなく高いリータンを稼ぎ出す。

 

気をつけるべきなのは、「初物」に気前よく払い「古株」を鼻であしらう投資家の生来の傾向である。

 

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「私が割安株投資を始めて35年、トレンドがこちらに逆らったことはいちどもない。人間には、簡単なことをむずかしくしようとする、ひねくれた性質があるらしい」

ウォーレン・バフェット 1985年

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長期投資で成功を収めるのは、少しもむずかしいことではない。「成長の罠」を避け、「時に裏打ちされた価値」にしがみつけばいい。

 

 

 

 

私はエリスの「(勝者のための)敗者のゲーム」が一番好きです。私の投資歴は15年ほどで、最近の含み益はトータルで2500~3500万ほどの間です。新コロショックの2020年、単年における現状の含み益は12.8%です。

 ↓

apapoyo.hatenablog.jp

 

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くれぐれも、投資はブログやTwitterなどで勉強した気になるのではなく身銭を切って、原著(書籍)を読みましょう

 

 

学ばぬものに利益なし!!

 

 

シーゲル緑本のまとめはコチラ

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