今日は、途中で寝かせていた本の残りを一気読みした。
以下

スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む: 日本の大学生は何を感じたのか
- 作者: ヨーランスバネリッド,G¨oran Svanelid,鈴木賢志,明治大学国際日本学部鈴木ゼミ
- 出版社/メーカー: 新評論
- 発売日: 2016/12/09
- メディア: 単行本
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この書籍「スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む」
内容にある発問より抜粋(一部変更)
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私たちはなぜ一緒に暮らしているのでしょうか?
大ニュースとは何でしょうか?
何が正しいことなのでしょうか?
ソーシャルメディアによって国をより民主的にするためには、どうすればよいでしょうか?
なぜ広告があるのでしょうか?
過去二百年に起こった最大の変化は何だと思いますか?
なぜお金は大切なの?
欲しいモノに、どうやってお金を使えばよいのでしょうか?
いくら貯金して、いくら使えばよいのでしょうか?
何のために貯金するのでしょうか?
ある家族が車を買おうと考えています。まだお金は貯まっていません。あなたなら、どのようなアドバイスをしますか?
経済とは選択することです。あなたは何を選びますか?
誰が最も権力を持っているのでしょうか?
なぜ犯罪者に刑罰を科すのでしょうか?
刑罰を重くすれば、犯罪は減るのですか?
人はなぜ犯罪を犯すのでしょうか?
なぜ未成年に対しては、ほとんど禁固刑を科さないのだと思いますか?
私たちはどのような義務を負っているのでしょうか?
もし、権利と権利がぶつかったらどうすればよいでしょうか?
世界の子どもたちは、どんな気持ちで過ごしているのでしょうか?
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以上
すべて小学校の社会科の教科書にある問い
非常に力のある発問ばかり。
そして、これらの発問からは、民主主義を大事にしていて、しっかりと「市民」を育てるというスウェーデンの教育理念が伝わってくる。
日本も、国語科では「思考・判断・表現」の力を伸ばすだの、社会科の学習指導要領の中に「市民」という言葉が入っているが、上辺だけだ。
「何のために(=理念 Vision)」が日本の教育政策では明確ではないため、指導要領の中身も上辺だけの言葉の羅列で、本質に迫る気迫がない。
スウェーデンの社会科教科書から私は「健全な民主主義のために自分で考え行動する市民を育てる」という明確な理念を感じた。これを根幹として社会科の指導内容が考えられているので、教育に一貫性があり、提示される学習課題に力がある。
逆に、日本は、お上の命令に従順なだけの犬国民でもつくろうとしているのだろうか…。小学校社会科の教科書で、ここまで圧倒的な差(意識の違い)を見せつけられるとは思っていなかった。スウェーデンの小学校社会科、面白い!
※他にも「髪型やファッションを変えて規範を打ち破ってやろうとするなら、それを何度も繰り返しているうちに、それでいいのではないかと思われるようになるかもしれません」と、まるで校則違反を変革への方法の一つとして前向きにとらえる記述もあった。すごい。

スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む: 日本の大学生は何を感じたのか
- 作者: ヨーランスバネリッド,G¨oran Svanelid,鈴木賢志,明治大学国際日本学部鈴木ゼミ
- 出版社/メーカー: 新評論
- 発売日: 2016/12/09
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参考文献
「スウェーデンの小学校社会科の教科書を読む」
ヨーラン・スバネリッド、鈴木賢志
<新評論>